コイントス

フィギュアスケートの最新情報や基礎知識などをブログに載せています。スケート業界では知られているものの、はっきりとは語られていないことやフィギュアスケートをする上で大切なことを考えていきます。

ルッツとフリップの違いを知ろう!

 フィギュアスケートは、全6種類のジャンプがあります。先日、トリプルアクセルについての記事を載せましたが、今回はトリプルの中でも次に難しいルッツとフリップの違いについて知りましょう。トリプルの中で最も難しいジャンプがトリプルアクセル(3A)ですが、次に基礎点が高いジャンプがトリプルルッツになります。その次がトリプルフリップです。トリプルルッツの略称は3Lz、トリプルフリップの略称は3Fです。ルッツもフリップも後ろ向きで踏み切って跳びます。そして後ろ向きに着氷します。ジャンプは全て、後ろ向きに右足で着氷します。

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 まず、ポイントは2つあります。助走をジャンプの回転に活かすことができるか、できないか。踏み切り時のエッジ向きです。ルッツは助走を活かすことができません。逆に、フリップは助走を活かすことができます。ルッツはアウトサイドエッジ外側に重心をのせます。フリップはインサイドエッジ内側に重心をのせます。このサイトでは、右利きの場合を想定して説明しています。このエッジの向きは、スケート靴の外側の刃をアウトサイド、内側の刃をインサイドと区別します。

 トリプルルッツ(3Lz)の場合、左足で後ろ向きからアルファベットの”J”を描くように滑ってきて、アウトサイドエッジの左足で重心を外側にかけながら、右足トゥを突いて踏み切り、おりゃーっと思い切り跳び、左回りに3回転します。そして後ろ向きに右足で着氷します。トゥ(つま先)とは、トリプルアクセルの記事で説明したスケート靴の前方に付いているギザギザした刃のことです。あれを氷上に突き刺してジャンプします。ルッツは、助走をジャンプの回転に活かすことができないため、助走距離を長くして跳ぶ選手が多いです。

 トリプルフリップ(3F)の場合、左足で前向きから平仮名の”し”を描くように滑ってきて、(反時計回りに)振り返り、後ろ向きになりインサイドエッジの左足で重心を内側にかけながら、右足トゥを突いて踏み切り、おりゃーっと思い切り跳び、左回りに3回転します。そして後ろ向きに右足で着氷します。トゥを氷上に突き刺してジャンプします。フリップは、助走をジャンプの回転に活かすことができるため、オーバーローテーション(回転し過ぎ)に注意が必要です。

 かつて、韓国代表のキム・ヨナ選手はルッツが得意でした。日本の浅田真央選手は、フリップが得意でした。スケートの世界では、ルッツとフリップ、どちらもできる選手もいますが、どちらかに得意なジャンプが分かれますね。アウト派、イン派という感じで、ルッツが得意な選手は、フリップがアウトサイド寄りになりやすく、”フルッツ”とネット上では呼ばれています。また、フリップが得意な選手はルッツがインサイド寄りになりやすく、”リップ”とネット上では呼ばれています。

  トリプルルッツ、またはトリプルフリップができなければ、世界で競うことは難しいでしょう。トリプルを超えてクワッド(4回転)のルッツやフリップができる女子選手もいます。今季グランプリファイナルで2位のアンナ・シェルバコワ選手、3位のアレクサンドラ・トゥルソワ選手はクワッドルッツを着氷できます。トゥルソワ選手は、そのグランプリファイナル(FS)でクワッドフリップを女子では世界で初めて成功しました。それはもう、男子並みのプログラムでした。すごい時代になりました。

 

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