ニコライ・モロゾフコーチと安藤美姫選手

 ニコライ・モロゾフコーチは、ベラルーシ出身のフィギュアスケーターです。1998年の長野五輪では、アイスダンス選手として出場しました。結果は16位。現役引退後は、タチアナ・タラソワのチームで、アレクセイ・ヤグディンの振り付けを担当しました。彼は織田信成選手や安藤美姫選手の元コーチでした。メダルメーカーと呼ばれていた有名なコーチです。また、恋多き人物でもあります。

 安藤選手の試合での演技中、何やら呪文を唱えている人物が!と思えば、それはモロゾフ!ブツブツと何を言っているのかまでは聞こえませんが、モロゾフコーチの教え子が演技している時は、彼の熱の入り方が凄いのです。最初はリンクサイドに立っていますが、演技中盤になると、彼は徐々に前屈みの姿勢になります。最後は手すりから目だけを出して、選手の動きに合わせて頭を動かし、ブツブツと鋭い眼力で唱えています。演技終了後は、冷静な振りと言いますか、元に戻ります。選手への愛ゆえでしょうか(?)。

  彼はもの凄いパッションの持ち主です。スケートに費やす時間も、どのコーチよりも長く、選手への思いも強いため、情熱を思い切りぶつけるタイプです。彼は、過程(練習)を楽しむことが大切だ、と言います。朝から晩までリンクサイドで過ごし、食事の時間さえ無駄にしたくないのでしょう、ベーグル(パン)を片手に指導しています。元アイスダンスの選手ですから、表現力がとても豊かです。彼が振り付けした曲をその場(目の前)で演じて見せてくれます。柔軟性も高く、Y字スパイラルや複雑なステップなどを実際に滑って見せてくれます。言葉だけではなく、動きで見せてくれるので、振り付けのニュアンスや細かな表現まで、非常に分かりやすいです。あの安藤選手の壮大なステップを覚えているでしょうか。ニコライは、振り付けはステップから作ります。気持ちを盛り上げて滑ることができるように、編曲し、クライマックスシーンに相応しい振り付けを施します。

 彼は牽引するタイプであり、スケジュールや日常生活の管理までしっかり行います。ミキティは、そんな彼に絶対の信頼を寄せていました。メンタル面の不安定さが顔をのぞかせていた彼女が、モロゾフとの出会いによって、精神的な安定を取り戻しました。また彼は、とても研究熱心で要素(ジャンプやステップなど)の点数を緻密(ちみつ)に計算し、高レベルなプログラムを作り上げます。

 安藤美姫選手は、非常に繊細な感覚の持ち主であり、少しの気持ちの揺れや心の動きが演技に反映されることがありました。心情と演技が重なり合わさると、情熱的で記憶に残るような演技をします。10代の頃は集中力を欠いた安定感にも欠ける演技もあったように思います。彼女の成長を促進させた人物は、ニコライ・モロゾフコーチです。精神的な安定感を与え、なおかつ、彼女の潜在能力を活かしたステップやジャンプなど、女性らしさやセクシーさを兼ね備えたプログラム構成になっています。彼女の精神面(内面)をよく理解していて、コントロール力に長けています。師弟関係の信頼関係があり、彼女はモロゾフに心を開いていました。試合(公式戦)で4回転を跳び、記録されることを大きな目標にして頑張っていました。それがモチベーション向上につながっていました。与えらえたものの他に、彼女独特の表現があり、内面からの感情をうまく演技にマッチさせています。技と技のつなぎもスムーズであり、深いエッジで音を捉えた繊細なステップやスパイラルは観客を魅了しました。情熱を内に秘めた大人の演技は高く評価され、安藤選手は2007年と2011年の世界選手権でチャンピオンになりました。

 

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