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フィギュアスケートの最新情報や基礎知識などをブログに載せています。スケート業界では知られているものの、はっきりとは語られていないことやフィギュアスケートをする上で大切なことを考えていきます。

スーパースラムとは、四大陸選手権2020男子シングル

 新型肺炎コロナウイルス)が蔓延する中で、選手や関係者すべてに体温の計測を義務付けるなど、厳戒態勢で開催された四大陸選手権2020。選手の紹介と共に感想を綴ります。

 中国代表のボーヤン・ジン選手、一昨年の四大陸選手権2018のチャンピオンです。過去に3度、四大陸選手権の表彰台に立ちました。平昌五輪2018では4位入賞、中国の絶対エースであり、世界屈指の4回転ジャンパーです。SPでは得意の4回転ルッツ前のスピードが28km、FSで最高時速30km。ジャンプのタイミング(リズム)が合わず苦しみましたが、中国エースの強い使命感が伝わる演技でした。総合4位でした。

 日本代表の鍵山優真選手、世界(シニア)デビューした彼は勢いにのる(現在)16才です。オリンピックに2大会連続出場した父に幼い頃から指導を仰ぎ、今シーズンの全日本ジュニア選手権2019(国内大会)で優勝しました。さらに、ユース五輪2020(ローザンヌ)で金メダルを獲得し、(佐藤駿選手と)日本男子の未来を担う逸材の一人です。(全日本選手権では3位。)彼は羽生選手に対して「一人だけ次元の違う選手がいた。」とコメントしていました。4回転ジャンプ(4T)のスピードがあり、膝の柔らかさや足腰の強さもあります。ジャンプ着氷時のブレがなく、美しい流れの中で跳んでいます。大きなミスなく滑り終えた結果、自己ベストを更新し、総合3位でした。

 アメリカ代表のジェイソン・ブラウン選手、今回5度目の四大陸選手権をむかえました。羽生選手と同い年であり、親日家です。ブラウン選手もまた、羽生選手と同じカナダのブライアン・オーサーコーチの門下生であり、チーム・ブライアンの一人です。成熟されたベテランの演技で、総合2位でした。

 日本代表の羽生結弦選手、世界最高得点を2度更新し、男子シングル66年ぶり五輪連覇した日本が誇るレジェンド羽生。今大会を優勝し、男子初スーパースラムを達成しました!主要な国際大会を完全制覇しました。スーパースラムとは、ジュニアから含めた主要国際大会を全て制した選手への称号です。主要国際大会とは、五輪、世界選手権、四大陸選手権、グランプリファイナル、世界ジュニア選手権、ジュニアグランプリファイナルです。女子では、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手や韓国のキム・ヨナ選手が達成しています。

 羽生選手は今年2月に異例の決断、SPとFSをオリンピック連覇を果たした曲(プログラム)に急遽変更しました。「心から滑りたいと思える曲であり、曲になりきることができるプログラムだ。」と彼は語ります。新しい衣装はシースルーのような生地で以前よりも軽やかで素敵でした。今から9年前、彼が(当時)16才の時、四大陸選手権2011で銀メダルを獲得しました。勝ちたい気持ち以上に羽生結弦の演技(スケート)をしたいという思いが、オリンピックチャンピオンを突き動かしました。

 彼のジャンプは高さ、回転にも余裕があり、最初の4回転ルッツの回転は認定されましたが、バランスを崩しました。それでも、観る者を揺さぶるような素晴らしく凄まじく美しい演技で堂々のチャンピオンです。彼は、てっぺんが良く似合います。ステップの中にジャンプがあり、その後にもつなぎがあります。自分の世界に入り込んだ演技で、観客を虜(とりこ)にしました。レジェンド羽生は、今大会で世界歴代最高得点111.82点を出しました。世界選手権2020に一石を投じました。

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