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フィギュアスケートの最新情報や基礎知識などをブログに載せています。スケート業界では知られているものの、はっきりとは語られていないことやフィギュアスケートをする上で大切なことを考えていきます。

全日本選手権2019の総括、男子は宇野選手、女子は紀平選手が優勝!

 令和初めての開催を迎えた全日本選手権。羽生選手、宇野選手、高橋選手の男子3人が揃う最後の大会でした。私たちはいくつもの分かれ道に出会い、生きています。国内大会の最高峰の舞台、全日本はスケート人生を大きく変える分岐点です。日本一へ自らの人生を切り開く闘いが終わりました。東京オリンピックパラリンピックに向け改装が終了した国立代々木競技場(第一体育館)は多くの観客で埋め尽くされ、全日本特有の緊張感が漂っていました。

 宇野昌磨選手は、今シーズンは思うような結果に繋がらなかった試合もありましたが、全日本で自信を取り戻すきっかけをつくりました。苦しかった時期を乗り越え、調子を徐々に上げてきていました。強い宇野選手が戻って来ました。今シーズン一番の演技で、総合結果1位です。全日本4連覇しました。

 羽生結弦選手は、国内参考記録(非公認)ながら、SPは最高得点の110.72点で圧倒的な風格を示したものの、FSでジャンプにまさかの綻びがありました。ジャンプの失敗が疲れに繋がりました。4年ぶりの優勝を目指していましたが、この全日本の緊張感を力に変えることはできませんでした。キャリアを重ねると、よりプレッシャーを感じるようになります。総合結果2位です。

 男子シングル最後の出場になる高橋大輔選手は、演技後半に疲れが出てしまいました。ジャンプの失敗が目立ちましたが、高橋選手のエピローグを最後まで見届けました。総合結果12位です。

 紀平梨花選手は、総合229.20点で初優勝を飾りました。スピンやステップ、ジャンプも大きく加点が付きました。まだ得点の伸びしろがありそうです。トリプルアクセルを武器に、世界で戦う紀平選手を証明するような演技でした。

 樋口新葉選手は、力強くアップテンポな曲が似合う選手です。プログラム全体に集中力の高さを感じました。スピードの緩急があり、ジャンプの高さや飛距離もありました。ミスを最小限に抑え、総合結果2位です。

 川畑和愛選手は、ジュニア選手ながら、この全日本で大きなインパクトを残しました。特にセカンドジャンプに高さがありました。SP、FSともに完璧に近い演技で、総合結果3位になりました。

 宮原知子選手は、FSで珍しくジャンプのミスを連発してしまいました。回転不足が目立ち、練習からジャンプに苦しんでいました。練習での不安が試合に現れてしまったのでしょう。ジャンプ失敗後、プログラム全体にやや焦りが見えました。総合結果4位です。

 坂本花織選手は、エッジワークが深く、流れのあるジャンプが魅力です。ディフェンディングチャンピオンの強さを見せることができませんでした。基礎点が高いコンビネーションジャンプの失敗が点数に響きました。総合結果6位です。

 本田真凜選手は、SPでは自分のタイミングで力を出せて、全てが噛み合ったような演技でした。質の良いスケーティングに加え、観客を演技に引き込む力があります。本田選手の中に光るものがあり、華やかさは健在でした。ジャンプの回転不足やミスにより得点が伸びませんでした。総合結果8位です。

 世界選手権への切符を掴んだ選手は、男子は宇野選手、羽生選手、田中選手、女子は紀平選手、樋口選手、宮原選手です。四大陸選手権の日本代表は、男子は宇野選手、羽生選手、鍵山選手、女子は、紀平選手、樋口選手、坂本選手に決まりました。

 

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