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フィギュアスケートの最新情報や基礎知識などをブログに載せています。スケート業界では知られているものの、はっきりとは語られていないことやフィギュアスケートをする上で大切なことを考えていきます。

北京五輪2022、鍵山は銀メダル!宇野は銅メダル!羽生は4Aに挑戦!

 北京五輪2022、フィギュアスケート男子シングルの結果が出ました。もうすぐ五輪、もうすぐ五輪、今季はオリンピックイヤーと思っていましたが、月日の流れが早いものです。ドキドキしたのも束の間、結果は、やはり、アメリカ代表のネイサン・チェンが圧勝でした。まあ、予想通りと言えば、予想通りなのですが、日本選手の金メダルを期待していました。

 メディアでは、羽生結弦の五輪三連覇を期待するような報道が多々ありましたが、羽生は、ショートプログラムとフリープログラムでジャンプの失敗があり、結果は4位入賞でした。メダルを獲れませんでした。SPでは、氷の溝にはまったらしく4回転サルコウが抜けてしまい、ジャンプ一つ分の得点がゼロ点に。FSでは、最初の4回転アクセルで転倒、次の4回転サルコウも転倒、その後は立て直しましたが、ジャンプの転倒が響き、点数は伸びませんでした。

 練習で一度も成功できないことを本番(試合)で挑戦することは、無謀としか言いようがありません。4回転アクセルは高難度ジャンプですから、足首にも負担がかかり、怪我につながります。高難度の技にリスクはつきものです。羽生は足首を捻挫していたのかもしれません。

 選手にとって、すごく体調が優れているからといって、試合で良い結果を残せることは稀なことであり、体調が優れているから、良い結果を残せるわけではないということ。選手は大会の日程にコンディションを合わせて調整するのですが、現役選手である限り、万全の状態で挑めることは稀なことだそうです。やはり、どこかが痛かったりするんだとか。そのような状態で、スポーツ選手は結果を残していると聞きました。日々の練習で、体の部位を痛めてしまうそうです。例えば、少し腰に痛みがあるとか、足首の痛み、筋肉痛や不調など。

 チェンのSPは、世界最高得点でした。そして、羽生の記録は破られました。4回転フリップに3回転アクセル、演技後半で4回転ルッツと3回転トゥループのコンビネーションジャンプは、これ以上ないほどの高難度構成なのです。一番多く点数を獲得できるプログラム構成に加え、FSでは、完璧とはなりませんでしたが、大きなミスなく、滑り終えました。堂々たる優勝者の演技でした。精神力の強さを感じました。4年前、平昌五輪2018でチェンはメダルを期待されていましたが、結果は4位入賞。その後、チェンの時代が始まりました。チェンは羽生の上に立つことが増え、もしかすると、羽生は現状では、今のプログラムでは、チェンに勝つことが難しいから、4回転アクセルに挑んだように思えます。羽生の五輪での4回転アクセルは認定されましたが、着氷できなかったため失敗です。その他にも、氷の穴にエッジが引っ掛かるなど、不運や足首の不調などもありました。明らかに、流れは、スケートの風はチェンに吹いていました。チェンは波に乗っていました。

 スポーツの世界で、様々な選手に、多くの選手のチャンスを与えようとする動きといいますか、そのような働きがあります。目には見えませんが、水面下で動いています。一人の選手に限らず、複数の選手にメダルを与えようとする審判員の試みのようなものがあります。タイムを競うようなスポーツは別ですが、審判員が判定するようなスポーツ、フィギュアスケートも含まれます。そのため、連続して優勝することは、難しいことなのです。

 だから、今回の五輪は、チェンに勝たせてあげたいという気持ちは審判員にあったかもしれません。しかし、そうは言っても、チェンが優れた演技でなければ、高い点数を得られませんから、地力が伴ってのことですが。そのような点を含めても、チェンが有利だったように思います。ただ、ジャンプの美しさやスケートの所作は、羽生の方が勝るかと。技術力のチェン、羽生と鍵山優真はジャンプ技術力は同じくらいでしょうか。技術力と表現力のバランスに長けているのが宇野昌磨。そして、日本のチェン、佐藤駿。その佐藤と鍵山に続く、三浦佳生。

 宇野も優勝できるチャンスは十分にありました。スケートの技術も十分、ジャンプの美しさもあり、表現力も申し分ない。世界で金メダルを獲得できる力はあるのに、何かが足りないのかもしれません。

 鍵山はこの五輪で、今の力を全て点数につなげたような演技でした。実力以上のものを発揮しているかのような。パーソナルベストを叩き出した団体戦のFSで、日本にメダルをもたらしました。あっぱれですな。鍵山には安定感がある、そして、強い精神力も。挑戦者として五輪に挑んだのかもしれませんが、大舞台で結果を出せるのだから、やはり強いのです。心も体も。佐藤と鍵山の違いは安定感かなと。佐藤の方がジャンプ構成が難しいのですが。ここぞという場面で力を発揮できるか、鍵山にはそれがあり、今の佐藤には足りない。現状は鍵山が前進していますが、佐藤駿の時代は必ずやってくるでしょう。

 チェンのこれから、スケートを継続するかどうかは未定とのこと。以前は辞めるかもしれないようなことをインタビューで話していましたが、スケートに対して情熱を持ち続けることができれば継続するようです。フィギュアスケートが相当お好きなようです。そりゃ、大会に出場すれば、ほぼ優勝しているのだもの、世界一ですからね。

ネイサン・チェン、北京五輪2022金メダリスト、優勝おめでとう!!

北京五輪(2022年)

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