前回からの続きです。
(その3)でグレイシー・ゴールドが全米選手権で初優勝し、オリンピック代表に選ばれた経緯やコーチについて綴りました。グレイシーは全米選手権2014で優勝し、ソチ五輪2014に出場しました。その結果を経て、アメリカ国民はこれまで以上に彼女に大きな期待を寄せます。翌シーズン、グランプリシリーズのNHK杯2014で優勝し、グランプリファイナル2014への切符を手にしますが、左足を疲労骨折する怪我に見舞われます。グランプリファイナルは欠場しますが、全米選手権2015で2位になり、世界選手権の出場権を獲得します。世界選手権2015では、前大会より順位を1つ上げて4位に。表彰台まであと少し、アメリカ人のグレイシーへの期待は高まります。その翌シーズン、全米選手権2016で自身2度目の優勝でトップに返り咲きます。
ここでポリーナ・エドモンズについて少し挟みます。ポリーナはジュニア全米選手権2013優勝、四大陸選手権2015優勝と、将来を期待されていたアメリカ代表のフィギュアスケーターです。ソチ五輪2014にグレイシーとアシュリー・ワグナーと共に出場しました。グレイシーが優勝した全米選手権2016、この大会はポリーナにとって優勝する絶好のチャンスでした。ポリーナはショートプログラムでトップ通過し、次はポリーナが優勝するだろう、という雰囲気がありました。その流れも審判の判定もポリーナに金メダルを付与したいというアメリカスケート連盟の思いのようなものを感じました。グレイシーはショートプログラムでミスし出遅れたものの、フリープログラムではノーミスのほぼ完璧な演技で優勝!ポリーナも良い演技だったのですが、惜しくも2位に。そして、アメリカ国民のグレイシーへの期待は一気に高まります。彼女であれば、世界選手権で金メダルを獲得できると、アメリカに金メダルをもたらすのはグレイシーに違いないと。
ポリーナは世界選手権2016の切符を手にしたものの、右足の怪我により欠場。そして、翌シーズンは全ての試合を欠場しました。その後は、試合で良い結果を残せず、再びスポットライトを浴びることはありませんでした。2020年7月に新型コロナウイルスのパンデミックを理由に現役引退する旨をインタビューで答えていました。
次回に続きます!