グレイシー・ゴールドといえば、アメリカ代表のフィギュアスケーターであり、双子で妹のカーリー・ゴールドと共にスケートに励んでいた印象があります。スケート競技の成績では、カーリーはグレイシーに及ばなかったものの、アメリカ国内大会である全米選手権に出場するほどの実力でした。ただ、カーリーはグレイシーより知名度は低く実績も無く、国家代表としてオリンピックに出場したグレイシーと比較すると、スポーツ選手として世界で活躍するような選手にはなれませんでした。子供の頃から同じような競技生活を送ったとしても、必ずしも活躍できるとは限りません。グレイシーのコーチがフランク・キャロルだった頃にカーリーも同様にコーチがフランクでした。カーリーは2016年のシーズンが始まる頃に現役を引退しています。その頃からグレイシーの不調は始まります。
その前に、余談を挟みます。輝いていたグレイシーに注目が集まり、カーリーの気持ちを考えると、辛かったことでしょう。しかも、兄弟や姉妹は比較されますから、一方だけ成績が良いと、成績が良くない方は精神的に辛い思いをするでしょう。兄弟や姉妹は類似した能力がありますから、同じような成績であることもありますが、スポーツに限らず、他の面でも例えば勉強の面でも、差が開くことがあります。特にスポーツは厳しい世界なので、人気よりも実績の世界ですからね。選手を育てる上で、兄弟や姉妹で一方に実力があったとしても、同じような環境を与えることは必要だと思います。心の歪みをなくすためにも。実力のある方を優遇すると、もう片方は捻くれる可能性があります。優秀な方に嫉妬もするでしょう。逆に優秀な方は弱者の気持ちには疎いですから。優秀な方は嫌でも注目され期待され、ちやほやされます。本当に気遣ってあげなければならないのは兄弟や姉妹の間で負けてしまった方かなと。
ただ、兄弟や姉妹の一人がスターであると、その兄弟や姉妹は恩恵を受ける場合もあります。グレイシーのおかげで、キャリーもフランク・キャロルから指導を受けることができたり、テレビ出演したりと、キャリーだけでは不可能なことも、グレイシーの妹だからという理由で可能になります。例えば、フィギュアスケーターの浅田姉妹とかね。浅田舞がスター真央の姉という理由でメリットがあるでしょう。彼女がテレビに出演したり、芸能界で活動しているのも妹が浅田真央だから知名度もあります。浅田舞はジュニアの頃は期待されていました。ジュニア時代の成績は悪くなかったのですが、シニアでは活躍できませんでした。これは本人が一番辛いでしょう。できたことができなくなることやあったものがなくなること、プラスであったことがマイナスに変わる時、これほど辛く苦しい経験はありません。最後がプラスで終えることができれば良いのですが、人生は上手くいかない時もあります。今までと同じような成績を残すことの難しさ、スポーツには波があります。一度でも良い成績を残せば、次も期待されます。その周囲からの期待に応えられるような成績を維持することは並大抵のことではありません。スポーツ選手は成績に波があるのが当たり前なのですが、出場した大会の全てでメダルを獲得するような選手もいます。フィギュアスケートは、特に女子は先ほど記述したマイナスに変わる時が訪れる選手もいます。人間の一生の中で、長い間 輝き続けることは稀かもしれません。特にスポーツ選手は現役時代が最も輝きがあり、注目されます。
人間ね、いくつになっても何歳になっても、夢や目標がなければ辛いでしょう。自分の人生は何だったのかと思うことはあるでしょう。決して届かない夢であっても、その夢を見ることで、人間の生きる力になります。いくつになっても夢を見ることは悪いことではありません。たとえ還暦を過ぎたとしても。夢や目標が無いまま生きることは、（夢にたどり着けずに）夢見ながら生きることよりも辛いことです。
次回に続きます！
