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GPファイナル2021(中止)出場予定者とワリエワの世界最高得点について

 本来であれば、先週末にグランプリファイナル2021が開催される予定でしたが、新型コロナウイルス(新株:オミクロン)の影響により、昨年に続き、今年もグランプリファイナルは中止になりました。

 今年のファイナル開催地は日本(大阪府)の予定でしたが、オミクロン株の水際対策を強化する目的で、外国人の新規入国が拒否されました。この強化措置は日本だけではなく、世界各国でも新種のオミクロン株に対して、日本同様に警戒し、措置が施されています。オミクロン株が出現した時期、その入国制限の時期と、グランプリファイナルの時期が重なってしまいましたね。年末年始は各々の選手の国内(自国)大会がありますから、北京オリンピック2022も控えていますし、その前に、四大陸選手権欧州選手権もありますから、ファイナルが延期されるのであれば、北京五輪の後になりますね。ファイナル延期開催の話がISU(国際スケート連盟)でありました。延期も検討しているようです。

 

この記事の後半に、出場予定選手の表を作成しました。

 予定では、グランプリファイナル2021に日本から男子シングルは宇野昌磨選手と鍵山優真選手、女子シングルは坂本花織選手、ペアは三浦/木原選手が出場する予定でした。

 簡単に説明すると、GPシリーズは全6戦あり、選手は一人2戦まで出場できます。昨シーズンや過去の成績によって出場する選手が決められます。各々の大会で成績(順位)によってポイントが与えられます。優勝者(1位)は15pt(15ポイント)、準優勝(2位)は13pt(13ポイント)、3位は11pt(11ポイント)、4位は9pt、5位は…、と、1位がもらえるポイントが一番多く、順位が下がるにつれて、もらえるポイントも少なくなります。その合計ポイントの上位6人がGPファイナルに出場できます。GPファイナルはシリーズの決勝戦であり、今年のGPファイナル2021は、来年2月に開催予定の北京五輪2022の代表選考対象競技会でもありました。

 男子は、鍵山君がシリーズ連勝と波に乗っています。宇野も調子が良さそうな感じです。ビンセントは第一戦目のアメリカ大会では絶好調でした。練習から調子が良さそうでした。一方、ネイサンはアメリカ大会のSPでまさかの転倒、FSで巻き返したものの、総合3位に、この結果によって、ネイサンの連勝記録はストップしました。

 女子は、出場者6人のうち、5人がロシア代表です。ロシア女子が驚異的な強さを世界に見せつけています。ワリエワは第六戦のロシア大会でSP、FSともに世界最高得点を叩き出しました。目玉が飛び出そうになるほどの高得点!

 

www.figfigure.com

 

 カミラ・ワリエワ選手はシニア一年目です。そのワリエワが女子フィギュアスケート界の中心にいます。彼女の演技は、審判員が高い点数を付けたくなるようなジャンプ、スピン、ステップ他、どれをとっても高レベルなものです。彼女の全てのエレメンツが完璧に限りなく近いのです。非の打ち所がないとは、まさにこのこと。そして、ジャンプに高さがあり、軸も綺麗で回転がもの凄く速い。バレリーナのような体の動き、それに加えて、エッジワークも素晴らしく、表現力もあり、隙がありません。今までに見たことがないようなタイプです。トリプルアクセル(3A)の他に、4回転サルコウ、4回転トゥループ2本を組み込んだ彼女のフリープログラム。言葉がありません。彼女が最もオリンピック金メダルに近いでしょう。驚異の15才、ワリエワ。平昌五輪2018で優勝したアリーナ・ザギトワ選手を思い出しました。

 かつて、キム・ヨナバンクーバー五輪2010でFS150点の壁を突破しました。その時の彼女のインタビューで「(キム・ヨナのFSが)男子の得点かと思った。とても驚いた。」と。ザギトワもFSで160点近い点数を出していましたが、それらを優に超えて、ワリエワのFS185.29点!(SP87.42点!)

 第四戦のNHK杯にアレクサンドラ・トゥルソワが出場する予定でした。彼女は第一戦のアメリカ大会で優勝しています。しかし、足の怪我のため、欠場することになりました。もし、彼女がNHK杯に出場していれば、彼女もグランプリファイナルに進出できたことでしょう。そうすると、もしかすると、女子のファイナル出場者は全員ロシア代表だったのかもなんて考え出すと、なんだか複雑な気持ちになります。

 トゥルソワワリエワの他に、昨シーズンの世界選手権2021で優勝したシェルバコワ、2年前のグランプリファイナル2019で優勝したコストルナヤ、世界選手権2015で優勝したトゥクタミシェワ、ワリエワと同じシニア一年目の4回転ジャンパーであるマイア・フロミフ、同じくシニア一年目で怪我によりNHK杯を棄権したダリア・ウサチョワ。他にも才能豊かな選手がロシアに大勢います。これほど逸材揃いのロシアから3人しかオリンピック、そして世界選手権に出場できません。ロシア選手権2022(ロシア国内大会)は、より激戦になるでしょう。

 

GPファイナル男子出場者(予定)
No. 選手 出場大会(順位) pt
1 日本 鍵山優真

イタリア大会(1)

フランス大会(1)

30
2 日本 宇野昌磨

NHK杯(1)

アメリカ大会(2)

28
3 アメリ ビンセント・ジョウ

アメリカ大会(1)

NHK杯(2)

28
4 アメリ ネイサン・チェン

カナダ大会(1)

アメリカ大会(3)

26
5 ロシア ミハイル・コリヤダ

イタリア大会(2)

ロシア大会(2)

26
6 アメリ ジェイソン・ブラウン

カナダ大会(2)

フランス大会(3)

24

 

GPファイナル女子出場者(予定)
No. 選手 出場大会(順位) pt
1 ロシア カミラ・ワリエワ

カナダ大会(1)

ロシア大会(1)

30
2 ロシア アンナ・シェルバコワ

イタリア大会(1)

フランス大会(1)

30
3 ロシア

エリザベータ

トゥクタミシェワ

カナダ大会(2)

ロシア大会(2)

26
4 日本 坂本花織

NHK杯(1)

アメリカ大会(4)

24
5 ロシア アリョーナ・コストルナヤ

フランス大会(2)

カナダ大会(3)

24
6 ロシア マイア・フロミフ

イタリア大会(2)

ロシア大会(3)

24

 

GPファイナル・ペア出場者(予定)
No. 選手
1 中国 隋文静/韓聰
2 日本 三浦璃来/木原龍一
3 ロシア ボイコワ/コズロフスキー
4 ロシア ミーシア/ガリアモフ
5 ロシア パブリュチェンコ/コダイシン
6 ロシア タラソワ/モロゾフ

 

GPファイナルアイスダンス出場者(予定)
No. 選手
1 カナダ ギレス/ポワリエ
2 フランス パパダキス/シゼロン
3 イタリア ギニャール/ファブリ
4 ロシア シニツィナ/カツァラポフ
5 アメリ チョック/ベイツ
6 アメリ ハベル/ドノヒュー

 

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